全固体電池 2018 1 21
書名 日経エレクトロニクス
トヨタ、村田、TDKが実用化目前 全固体電池 いざEV、IoTへ
出版社 日経BP社
「全固体電池」とは、あまり耳慣れない用語かもしれません。
電池というと、中学校の理科の実験で、
正極と負極、電解液がありました。
この電解液が厄介で、液漏れしないように、
丁寧に扱う必要がありました。
全固体電池では、正極と負極の間に電解液がなく、
一種のセパレーター(固体電解質)があるだけです。
最近の電池というと、リチウムイオン電池を連想しますが、
このリチウムイオン電池も、電解液が使われています。
つまり、電解液を使うということは、液漏れの心配があります。
しかしながら、そもそも、リチウムイオン電池では、
電極間で、リチウムイオンを直接やりとりするので、
理屈の上では、電解液は不要でした。
しかし、日経エレクトロニクスの記事によると、
固体電解質の研究は、20年以上前からあったが、
電解液を超える「リチウムイオンの『よい通り道』」を
なかなか実現できなかった。
2011年以降にブレークスルーが相次いだとあります。
全固体電池のメリットとしては、
安全性の向上があります。
つまり、従来型の電池にあった、
電解液の液漏れや揮発と、その発火の恐れがなくなります。
次のメリットとして、
数分で80%から90%充電する「急速充電」が可能です。
さらに、電解液を使わないので、
全固体電池のフレキシブル化も可能でしょう。
こうした全固体電池の用途として、
すぐに電気自動車を連想しますが、
まず先にスマートフォンの電池として利用できます。
さらに、「IoT(Internet of Things)」へ利用ができます。
この「IoT」への利用が大きなものとなると思います。
さて、意外な利用としては、
潜水艦の動力源として使えます。
ディーゼル駆動の潜水艦では、
騒音をまき散らしているようなものですので、
電池駆動で潜水艦は動いていますが、
やはり、従来型の電池では、
充電の問題、液漏れや発火の問題があったと思います。
潜水艦で全固体電池が利用できれば、「潜水艦革命」が起こるかもしれません。
話がそれましたが、
全固体電池は、スマートフォンどころか、
「IoT」への利用を考えると、全産業に影響を与えるでしょう。
これは、「第二の産業革命」となるかもしれません。